とてもとても寒かった12月5日に、ご葬儀の司会者としてデビューさせていただきました。他の葬祭場がどのようなシステムなのかよく解りませんが、私がお仕事をいただいている葬斎場では、お通夜と告別式を一式として1人の司会者が担当させていただいております。葬儀の司会については、これまで何回かお誘いを受けてはいたのですが、私がこれまで参列した中で蓄積された葬儀司会者のイメージは、思いっきり暗い声で、不自然なアクセントと抑揚で、司会者というよりはエレベーターガールや球場のウグイス嬢に近いものでした。(→私の勝手なイメージですみません( TДT)ゴメンヨー)そういうことで、お誘いもお断りしていました。
でも、そんな私の概念を打ち消す、素晴らしい葬儀司会者に出逢ったのです!
それは今年9月中旬、長年のボランティア仲間のお父様がお亡くなりになり、告別式に参列した時のこと。開式5分前に、生前の故人のお人柄や半生を綴ったナレーションが響き渡ったのです。とても心地いい声で、間で、そして 心に染み入る文章で。私は、そのお父様とは全く面識がありませんでしたが、自然と涙が溢れ、尊いご生涯を閉じられたことに、『長い人生、お疲れ様でした!』という気持ちでいっぱいになりました。それはたぶん、私だけではなかったと思います。わずか1時間ほどの告別式でしたが、その素晴らしい司会者のお陰で、会場全体が 故人へのねぎらいと感謝の念で包まれた あたたかい空間となっていました。
私の葬儀司会への概念は、その日 見事に打ち消されました!葬儀だからと言って、ズドーンと暗い声を作る必要はないのです。不自然な抑揚を付ける必要もないのです。もちろんご葬儀なので、おめでたい式典のように明るく元気なトーンでのアナウンスとはいきません。故人の最期をしっかり送ってさしあげる気持ちで臨むと、自然とその場にふさわしい落ち着いた声になるから、それでいい。自然体でいいのだと感じました。
そういえば私、葬儀司会をやらないかって何回か誘われてたな~…。気になりだしたら止まらない私は、まずは葬儀司会についてネット検索!すると、なんとその葬斎場が司会者募集をしていたのです!即 問い合わせて履歴書を送り、支配人面接に合格して、約2か月間の自主研修の後、デビューを果たしたのでした。まるで、導かれたような不思議なご縁でした!
初めて担当させていただいた故人様は、熊本で生まれ育ち ご結婚して、亡きご主人様のお仕事の都合で長崎にご縁を結ばれた91歳の女性。娘時代の多感な時期を戦争という大きな波に呑まれ、19歳で終戦を迎えて、激動する時代の中を ただガムシャラに生き抜いてこられた方でした。告別式の日は大変寒く、故人様の生まれ故郷の熊本では初雪が降ったとのニュースを朝から見て、最後のナレーションに 当日付け加えさせていただきました。
私の目の鱗を落としてくださった素晴らしい司会者の方を含め、私が登録している葬斎場には、現在 4人ほどの先輩司会者(うち1人は産休中とのことでお会いしたことはありません。またこの他にも私がお会いしていないだけで、まだいらっしゃるかもしれません。)と1人の同期司会者がいます。皆さんそれぞれに持ち味があり、丁寧に指導をしていただき大変感謝しています。まだまだ見たこともない宗派も多々ありますので、今後とも引き続き研修とご指導をいただき、精進してまいります。
そして、この葬儀司会のデビュー直前に受けた メトロ書店様主催の スピーチコンサルタント・矢野 香先生のセミナーは、私にとっては本当にベストタイミングで、今後の司会業にも大変役立つ内容でした!これも不思議なご縁。私は本当にラッキーです!
これからは、イベント司会と葬儀司会の両輪で、司会者としての幅を広げて行きたいと思っています。
※上の写真は、葬儀司会の研修期間中にカトリック大浦教会で撮ったステキなステンドグラスと、矢野先生の最新刊です。