長崎の夏の風物詩、8月15日に行われる『精霊流し(しょうろうながし)』が、今年もやってきます。
今年 初盆を迎えた故人の御霊を精霊船に乗せて西方浄土にお送りするこの行事は、長崎出身のシンガーソングライター さだまさしさんが作詞作曲した歌にもあるとおり、爆竹や銅鑼の喧噪の中にあって、どこか一抹の寂しさを感じさせる長崎独特の行事です。
精霊船は大きく2種類に分けられ、故人の親族・知人・友人が造って出す個人船と、自治会などの地縁組織が合同で造って出す『もやい船』があります。私が葬儀司会者として登録している平安社長崎斎場でも、平安社にてご葬儀のご縁をいただき初盆をお迎えになるご喪家のうち、ご希望される皆様方を対象として、もやい船をお出ししています。
7月15日は、浄土真宗本願寺派 教専寺様 ご導師のもと、その初盆合同供養祭が稲佐公園前の平安社長崎斎場にて執り行われました。ご遺影のお写真を持って来場されたご葬家の皆様は、実に78家族。朝9時からの開場とともに続々とご参集いただき、約200席の式場は、供養祭開式の午前10時にはほぼ満席となりました。中には、私が司会を担当させていただいたご遺族の皆様のお顔もあり、心をこめて進行させていただきました。
初盆合同供養祭では、始めに合同供養をさせていただく78名の故人様のお名前をお一人ずつ読み上げ、ご導師様の読経の中、ご参列の皆様方にご焼香をいただき、最後に 主催の ㈱セレモニー長崎ならびに㈱平安閣の柿川常務取締役もご焼香をなさいました。その後、8月15日の精霊流しの説明会が行われ、約1時間で閉式となりました。
この もやい船は、昨年、㈱セレモニー長崎と平安社が30年ぶりに再開したもので、個人では精霊船を造って出すことが困難なご喪家様より大変喜ばれているそうです。
長崎でも猛暑が続いております。初盆をお迎えになられるご喪家様、精霊流しまであと1か月。体調を崩されることがございませんように、どうぞご自愛くださいませ。