先週1月21日 満月の夜、長崎ランタンフェスティバル『媽祖行列(まそぎょうれつ)』の練習in興福寺。
寒かった〜!
長崎の街もランタンフェスティバルの準備が着々と進められ、眼鏡橋が架かる中島川一帯は、黄色いランタンが飾りつけられて、開幕間近なんだな~とウキウキします!
この2月の大舞台に向け、踊り手チームは なんと昨年10月から、仕事終わりに練習を続けています!
この媽祖行列を企画・運営する まちづくりの市民ボランティア団体・長崎ネットワーク市民の会のメンバーである私は、平成14年から毎年、媽祖行列のボランティアMCを務めています。
ここで、かなり長〜〜くなりますが、現代の長崎に甦った『媽祖行列』のお話。
・
・
江戸時代。鎖国下の長崎で、入港した唐船の船乗り達によって実際に行われていた 航海安全の神・媽祖様の御神体を 船から唐寺へ、唐寺から船へとお運びした行列を『媽祖行列』と申します。唐船入港の度、街中で行われる異国の香り漂うこの行列を、当時の長崎の人々は楽しみにしていたそうです。
帆船の全盛期だった当時、長崎に入港する唐(中国)の船には、必ず祀られていたという 航海安全の神・媽祖。動力もなく、風や天候に左右される帆船での航海はいつも命がけ。船乗り達にとって媽祖様は何者にも替え難く、昼夜を問わず崇め奉る神でした。
また、中国の歴代王朝にとって、海運業の発展や諸外国との貿易の進展は、莫大な富もたらす 大変重要な国策の一つであったため、航海安全の神・媽祖は 歴代の皇帝からも非常に厚遇され、かの有名な 儒学の祖・孔子や、三国志で名高い関羽・関帝とともに、中国では最も位の高い神様の一人とされています。
やがて、帆船から 安全で速度も速い 蒸気機関を動力とした汽船の時代へと移り変わり、航海安全を媽祖様に祈願して来崎していた唐船が、長崎の港から姿を消した明治初期頃、媽祖行列は途絶えたのでした。
・
・
それから約120年後の平成元年春、長崎の市民団体の手によって、江戸時代さながらに復元された一隻の唐船が、中国福建省から長崎へと入港しました。その船内には、なんと往時ゆかしく、航海安全の神・媽祖様が祀られていたのです!
長崎の遠い過去の風習であった媽祖行列が甦ったのはその時。航海安全の神・媽祖様を約120年ぶりにお迎えするにあたり、当時の長崎ネットワーク市民の会のメンバーは、古い書物を紐解いて勉強し、媽祖信仰の総本山である中国福建省湄州島へ10回も出向いて教えを請い、衣装や楽器も自前で揃えて、着々と復活の準備をしていたのでした。
今や、長崎ネットワーク市民の会の会員をはじめ、数多くの団体や市民が参加し、長崎の冬を彩る長崎ランタンフェスティバルのメインイベントの一つとなった媽祖行列。
いにしえの媽祖伝説に登場する、媽祖様を守る2人の守護神・順風耳(じゅんぷうじ)と千里眼(せんりがん)、そして媽祖行列の祭官を務める直庫(てっこ)の踊りや所作は、この媽祖行列の見所で 毎年多くの人々を魅了します。長崎ランタンフェスティバルを見に来られる皆様方のご期待に応えるべく、こうやって 毎年寒い中、練習は続きます。
平成の世に甦った媽祖行列は、今年で31年目。私たち長崎ネットワーク市民の会は、江戸時代にここ長崎で繰り広げられ、平成元年に甦った媽祖行列を、100年先の長崎人にも伝えていきたいと思っています!
そして今季は、平成最期の媽祖行列。本番では 多くの皆様にご覧いただき、温かい拍手をいただければ嬉しいです!!
長崎と中国の悠久の歴史と 長崎市民の熱い想いがつまった媽祖行列は、下記の通り開催されます。私は10日のMCを担当。17日は後輩MCの育成に努めます。どうぞ皆様、2月5日から開幕します 長崎ランタンフェスティバルにおこしくださいませ!
◆2019媽祖行列 前日
2月10日(日) 13時〜16時
孔子廟→唐人屋敷→湊公園→銅座観光通り→ベルナード観光通り→アルコア中通り→眼鏡橋→興福寺
◆2019媽祖行列 後日
2月17日(日) 13時〜16時
興福寺→眼鏡橋→アルコア中通り→ベルナード観光通り→銅座観光通り→湊公園→唐人屋敷→孔子廟