長崎のお盆・8月15日と言えば、精霊流し(しょうろうながし)です。
この夏
初盆を迎えた家では、故人の家族や友人達が、盆提灯や造花などで飾った精霊船(しょうろうぶね)と呼ばれる船を作って、爆竹や花火、銅鑼などを鳴らしながら「流し場」と呼ばれる終着点まで運び、御霊が西方浄土へと向かうよう弔います。
また、個人で精霊船を作ったりお運びしたりは
なかなか大変なので、町やご葬儀を行った葬儀社が合同で故人を弔う『もやい船』を出したりすることもあります。
精霊流しは、毎年8月15日の夕刻から開催され、爆竹や銅鑼の音、掛け声の喧騒の中で行われますが、どこか物悲しさを感じずにはいられません。精霊流しを「祭り」と誤解することなかれ。あくまでも故人を追悼する仏教の行事なのです。私も4月までは仏式葬儀の司会もしていたので、担当させていただいた故人様の船もあるかもしれないなぁと思いながら、県庁坂から見てました。
ちなみに、現在 司会のお仕事をいただいているカトリック葬儀の栄光式典社の専務さんの話では、故人様がカトリック信者の場合は基本的に精霊船は出さないらしいのですが、中にはぜひ船で送りたいと希望されるご遺族様もおり、そういう場合は神父様に相談の上 OKをいただくそうです。そんな話を聞くと、宗教などとは関係なく『長崎人のDNA』を感じます。
また、初盆でない場合は精霊船は作らず、藁を束ねた小さな菰(こも)に、花や果物などの供物を包んで精霊船の流し場に持っていったりします。
毎年のことながら、テレビ局やカメラマンの皆さんがたくさん取材なさってました。見物客は直前の台風の影響なのか少なかったようです。そして今年は、とても涼しく爽やかでした。帰りには、交通規制中の国道の真ん中を我が物顔で歩いてみたりして楽しみました!
そして夜は、毎年恒例 NBC長崎放送の精霊流し特集をみるのが、長崎人のルーティーン!
解説の越中先生はお元気やろか〜?と見ていたら、今年もお元気でいつものあのお顔で安堵したのも束の間、まさかの番組卒業宣言!!先生のいないNBCの特番なんて考えられません(泣)でも、もう97歳ということですし、先生のお決めになったことをファンとしては受け入れなければならないのかな、と感じた夜。最後に不動の黄金コンビ・NBC早田紀子アナとのお姿が見られたことはとても嬉しかったです。長崎の宝・越中先生、本当にお疲れ様でした。そしてありがとうございました。